ここ数年、同じようなことをずっと考えているんだ。
物語が始まる時はいつも何かを失ってからだね。そうしないと気付かないんだよ、僕は。他に注意すべきことが多すぎるからね。後回しにして、ないがしろにしたから当然の結果なのかもしれないんだけど、後悔するんだ。
最近、物語を書いていると最終的にいつも同じところへ行き着いている気がするよ。
僕は田舎で生まれたんだ。地域を限定するとこれを書いているのが僕だって特定できる可能性があるくらいのところだよ。知り合いの知り合いくらいでほとんどの人が繋がっているかな? たぶんね。
そんなところだから通える距離に大学なんてなくて、高校を卒業すると就職するにしろ、進学するにしろ地元を離れる必要があったんだよ。就職の場合、あるにはあるけど選べないから、みんな外へ出て行くんだ。
僕は母さんの強い希望もあって大学に進学したよ。そして、一人暮らしを始めたね。両親は共働きだったから自分のことは自分でしていたし、妹の面倒をみていたから何も困らなかったし、違和感もなかった。ホームシックとは無縁だったよ。両親と顔を合わせるのは夕食の時くらいだったし、自分の部屋があったので中学生くらいから妹とほとんど話さなくなっていたからね。部活動をしていたのもあって、テニスと友達付き合いが優先されていたんだ。
それでも、一人暮らしを始めたんだなぁ、って出来事があったよ。スーパーでトイレットペーパーを買った時なんだけどね。知っていたけど、商品に直接シールを貼ってお終い、トイレットペーパー丸出しで持って帰らないといけないんだよ。別に恥ずかしくはないんだけどさ、おお、そっか、丸出しで持って帰るのか、って思ったね。
大学での四年間が過ぎ、就職活動して小売店で働くことになったんだ。店舗は年中無休だったから、ゴールデンウィークも、お盆も、正月も仕事があったので、一年に一度くらいしか実家に帰らなくなったよ。
その後、転職して年末年始とかお盆に休みが取れるようになったんだけど、住む場所が関西から関東へ移ったので、実家に帰る頻度は変わっていないね。いや、少しは増えたかな? 年にニ、三回くらいは帰っていると思うよ。このペースだと親に会うのは後、100回くらいだろうか。100回、、、ワニの話を思い出したから止めておこう。
ここまで書いて、僕が地元から離れて旅を続けていることが書いている物語のテーマなのかと思った人もいるかもしないけど違うんだよ。これは一部でしかないんだ。決定的に失ってしまったものがあるんだよ。僕は今、それが欲しいんだ。だけどね、事情があって無理なんだよ。僕一人では何もできないし、何も変わらないんだ。
仕方なく折り合いを付けて諦めるしかないんだけどね。落ち込むことがあると憂鬱になって考えてしまうんだよ。だから、いろいろ始めちゃうんだろうね、考えないようにさ。
転職したばかりなのに、新しい仕事を始めようとしているんだ。上手く行くかは微妙だけど、準備だけは進めているよ。
今、考えている物語は完成したらアップロードする予定なんだ。いつになるかは分からないけどね。みんなが忘れてしまった頃に投稿しておくよ。そしたらさ、テーマどおりに書けてないことがバレないからね。
それじゃあ、またね。
バイバイ。