テーブルの上に牛乳が入っているガラスコップを置いてたとして、目を離したすきにそれを子供が倒したら、キミはなんて言うかい?
「ダメじゃない」
「何しているの」
「あぁ~」
僕だったら、こんなふうに言ってしまいそうだよ。それで、ティッシュか布巾を持って来て後片付けをするんだ。そんな姿を見た子供はきっと、黙ってうつむくんだよ。
この後、キミならなんて声をかける?
「大丈夫だよ」
「危ないから、気を付けようね」
「もうしちゃダメだよ」
こんな感じで言ってしまうね。
子供はそれを聞いて、うん、って答えるんだよ、だぶんね。そして、考えるんだ。アレが欲しかったけど黙っておこう、本当は理由があるんだけど聞いてくれなかった、怒られるからコップは倒さないようにしよう、って。
何かに夢中になってコップのことを忘れていたのかもしれないし、コップをどうしても倒したかったのかもしれない、犯人はその子じゃなかったのかもしれない、そういうことを全て無視して、否定的な言葉を投げかけてしまうね。
頭では分かっていてもなかなかできないんだよ。だってさ、僕も子供の頃に親からそうされたからね。妹がコケて泣いたのに僕が泣かせたと勘違いして叱られたり、カッコイイと思って絵を描いたのに、ココに落書きしちゃダメ、と言われたりさ。男の子なんだから泣かないの、お兄ちゃんなんだから我慢しなさい、大学くらい出といたほうが良いわよ、遊んでいる暇があるなら勉強しなさい、そんなことをして将来に何の役にも立たないわよ。
そこに僕の意見なんてないんだよ。
母さんが子供にピアノを習わせたかったから、僕はピアノ教室に通ったんだ。そういう子育てしか知らない。
間違っている、とまでは言わないけどさ、良いとも思えないよ。それなのに、ダメじゃない、って簡単に言ってしまうんだよ。嫌だったのに。
子供と接するって大変だよね。週1の勤務なのに時よりすごく考えさせられる場面に出くわして疲れるよ。一対 一だったら上手くやれるんだけど、一 対 多だと誰かにしわ寄せがいってしまうことがある。損するのが優しい子だったりする。そうなると帰り道、気分が沈むね。どうするのが良いのか模索中だよ。
それじゃあ、またね。
バイバイ。