わかるよ。でも、そんなことやったら問題だね。軍のトップが政府の指令を無視するのは悪い前例になるし、それが続くと国の代表が軍の力を制御できなくなる可能性があるよね。
でも、もし政府が無抵抗の市民を虐殺するような指令を出したら、軍人はそれに従うべきなのかという問題があるけどさ、まあ、それは絶対に許されないよね。非人道的な命令には従えないし、人間としての尊厳を守るべきだよ。ただ、それ以外の場合には、民主国家の軍人として政府の指令に従うべきだろうね。そうしないと、人道的な理由で行動しても、私的な意思で行動していると非難されるかもしれないからさ。
市民が多数決で首相元首を選んだのだから、それが間違っていたとしても、訂正するのは市民自身の責任だよね。時間がかかっても、軍人が武力で市民の過ちを訂正すべきではないんだ。それって、クーデターを起こすってことでしょ。どうかと思うよね。正義感ある人が独裁的に国を支配するのも一つの選択かもしれないけど、それは国民の政治の放棄につながるよね。国の政策が失敗しているのは僕たちが選んだ政治家が良い働きをしなかったからで、他人を責めることはできないはずなんだよ。政治家が無能なのは僕たちの選択ミスだからね。
民主主義では自由と同じくらい、責任を負わなければならないんだよ。コロナが蔓延し始めた時、保健所が対応できなかったけど、それは仕方ないことで、患者が急増したからって、スタッフを急増させるのは難しいからね。対応が遅延するのは当然の結果だよ。経済活動という自由を選んだ代償を支払っただけさ。
べつに経済活動を非難したいわけじゃないんだ。息抜きがないと頭がおかしくなるし、大多数の人は健康だから、日常を楽しみたいと思って当然だよ。僕は第一波のときにコロナに感染し、食料も届かず、情報も錯綜していて、保健所に連絡がつかなくてすごく困ったんだけどさ。そういう政策をとる政治家を選んだのは僕なんだから、死んだとしても国を責めたりしないし、家族にもそんなことしないでほしいと願ったよ、ベッドの中でね。死んだ後にさらなる恥をかくのは避けたいし、静かに葬儀をしてほしいと思ったね。誰も呼ばず、墓もいらない。時の流れの中で忘れ去られて、世の中から消えたかったんだよ。べつに死んでも後悔もないし、生きる理由がなかったからさ。まあ、良いかなって。
それじゃあ、またね。
バイバイ。