困ったときのブリュルさん。

増田朋美
皆さんこんにちは。ずっとこのサイトにアクセスできずに失礼いたしました。せっかくサイトがあるのだし、有効に使いたいものですね。これからはもう少し、たくさん生地を描きたいと思います。
さて、今回もまた弾いてみたシリーズと行きましょうか。今回は、イグナーツ・ブリュルという方の作品を紹介します。多分、ご存知ない方の方が多いでしょう。楽譜は、プリズム社で、ブリュルピアノ作品集というのがでていますが、多分これしかありません。それくらい、知られていない作曲家です。
20世紀初頭まで、活動していたというので、いわゆるラヴェルやドビュッシーなどが、力を発揮していた時代ではありますが、それと同時とは思えないほど、保守的です。つまりどういうことかと言いますと、
・調性はしっかりある。
・崩した音型がない
・不協和音がない
・曲の形式(ソナタ形式、ロンド形式など)は、守っている
という特徴があるのです。
なんだつまらないと思う方が多いかもしれないですが、おそらくそれがブリュルなんだと思います。当時としては、大変な時代遅れで、あまり売れなかったことは、すぐ想像できますが、改めて弾いてみると、昔ながらの形式を遵守した曲に、なんかほっとするような印象をおぼえます。また、和声てきに、くずしていないため、すぐにメロディや伴奏を覚えられて、練習期間が短い演奏会のときには、役に立つんですよ。これ、意外に重要で、そういうときには、困ったときのブリュルさん、ということができます。
ブリュルの作品でおすすめは、いろんなものがありますが、私が好きなのは、ソナタです。ブリュルの作品では唯一の大曲。もちろん、曲の形式などはちゃんと守られていますが、直に激しい感情を感じられる曲です。意外に演奏がむずかしく、やりがいもありますよ。

本日は、イグナーツ・ブリュルの作品を紹介しました。
これからも、曲紹介はたくさんしていきたいので、ぜひ、読んでいただけたらと思います。
そして、演奏してみたいと思っていただけたらうれしいです。