ベートーベンソナタ、ヘンレ版とシュナーベル版を使ってみた。

増田朋美

増田朋美

皆さんこんにちは。最近暑い日が続いていますね。9月になってもまだ暑く、からだを壊してしまわないようにしましょう。私自身も、暑い中ですが、なんとか生きております。

さて、本日はですね、ピアノを習う人なら必ず直面するベートーベンのソナタの楽譜についてのお話。最近になって、いろんな種類の「外版」と呼ばれている海外からの輸入楽譜が多くなりましたよね。もちろん、全音とか、春秋社も捨ててはいけませんが、多分、ピアノを習っている方なら、外版のほうがいいと言われると思います。中には、楽譜の版なんてどうでもいいという先生もたまにいますが、大体の先生は、外版のほうが絶対いいよ!と宣言するみたいに言うと思うんですよね。複数の先生についていると、OO版がいいという先生も居れば、XX版のほうがいいという先生も居て、どちらでも練習しなければならなかったということもよくある話です。私も、そうでしたので、外版をよく使っていましたが、ヘンレ版とシュナーベル版で練習したことがありましたので、簡単ですけど「使用した感想」を描いてみたいと思います。もし、楽譜選びで迷っている方がいらっしゃいましたら参考にしてください。

1、ヘンレ版

正式名称はヘンレ出版社といい、日本でも人気があって、割と入手しやすいですし、楽譜屋さんなどでも扱うことが多いのではないかと思います。第一巻と第二巻と2つありいずれも分厚くて、持ち運びしにくいです。とはいえ、音楽学校でも結構使われてますし、ああ、あれね、となんとなく連想できる方が多いのではないでしょうか。楽譜の中を見るとこんな感じです。

こちらは、ソナタ12番第三楽章の楽譜。特徴としては、ほとんど強弱記号などが描いてないことで、運指も必要最小限しか描いてないことです。そうなると、私のような、自分独自のやり方で何でも弾いてしまう人は、いいのかもしれませんが、まだ、予想ができない方は、何も描いていないので、わからなくなってしまう事が多い方もいるのではないでしょうか。先生についていて、教えてくれる方がいるという方は別ですが、ちょっと、情報が少なすぎて、曲を構築するのは難しいなという印象が無いわけでもない楽譜です。わが道を行く!という方にはやりやすい楽譜かもしれないですけど。

2,シュナーベル版

イタリアのクルチ社という出版社から出版されている版で、ベートーベンの研究者として有名な、アントゥール・シュナーベルという人が改作した楽譜です。この版は当初存在すら知らなくて、先生に買ってこいと言われて初めて知ったのですが、ベートーベンのソナタが、3巻に渡って収録されています。楽譜屋さんには、シュナーベル版と言っても、わからない人も居ましたので、インターネットの画像とか見せてやっと注文できた事もありました。ヘンレ版に比べると日本ではあまり知られていないようです。

こちらは有名なソナタ「ハンマーグラビーア」の楽譜。運指も、強弱もスラーなども細かく書かれていて、さすがベートーベンの研究者シュナーベルだなとわかる気がします。この他ペダルの記号や、テンポなども詳しく載っていて、比較的曲作りに関してはわかりやすい印象。更に面白いことに、解説が大変丁寧ですので、これを翻訳してみると、また新しく学べることもあります。イタリア語とドイツ語と英語で解説が載っていますけど、もし、これらの言語に詳しい方がいらっしゃいましたら、ちょっと英文を除いてみてください。そうすると、一層深くベートーベンの研究ができます。ただ、指示はあまりうるさくないほうがいいとか、自分で音楽を作りたい方には不向きです。また運指も、かなり無理をしないとできないところもあるので、ちょっと変更しなければならないこともあります。

こうして見ると、自分で音楽を作りたい方や、あまり指示に乗せられたくない方は、ヘンレ版、ベートーベンについて、詳しく研究してみたい方はシュナーベル版が良いのではないかと思います。どちらが甲乙つけられるかという事は多分できないでしょう。どちらも素晴らしい楽譜ですし、楽譜も一つの財産ですからね。だから、順位はつけられないけど、あくまでも使う人の問題なんじゃないかなと思います。

今回は、ヘンレ版とシュナーベル版の感想をお送りしました。何も参考にならないかもしれませんが、ベートーベンを勉強する上でどうしたいかを決めてから楽譜を探したほうが、良い結果が得られるのではないかと思います。とはいえ、楽しい音楽生活を送ってくださいね。


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この記事のライター

増田朋美

琴弾き、ピアノ弾きという二つの草鞋を履いて生活している人です。 このサイトでは、お箏の事について、ピアノの事について、私が学んできた事を、列記していきたいと思います。 まだまだ未熟ですが、お付き合いくださりますとうれしく思います。 SNSでは本名で活動していますので、ご了承くださいませ。

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