エドウィン・フィッシャー校訂版、モーツァルトピアノソナタを購入してみた。

増田朋美
みなさんこんにちは。暑さ寒さも彼岸までといいますが、少し涼しくなりまして、うれしい季節になりました。涼しくて、過ごしやすくなったのですから、より音楽活動も充実させて行きたいなと思います。
さて、今回のお話は、モーツァルトのピアノソナタの話。エドウィン・フィッシャーという人が校訂したそうですが、そもそも、どんな人物なのかもわからない、という知る人ぞ知る校訂版なんじゃないかなと思います。
出版社は、ベートーヴェンのシュナーベル校訂版も出版しているクルチ社。私も大学まではほぼ知らない状態でしたが、意外に重要な校訂版を出している会社なのかな?と思われる会社です。入手は通販でできますが、普通に楽譜屋さんで購入するのはちょっと難しいかなと思われる楽譜です。

こちらは1巻の写真ですが、2巻も合わせて購入いたしました。
使ってみて驚いたのは、強弱を括弧書きでしてあることの多いことでした。でも、ヘンレ版などですと、全く強弱の書いていない曲もありますので、それでは困るという人には使いやすい楽譜かもしれないです。運指は必要なところだけ書いてあるという感じなので、分かる人は不要かもです。
思えば、学生のころは、モーツァルトのピアノソナタは弾かせてもらうことはできませんでした。何度かやりたいと申し入れたことはありましたが、いずれも簡単すぎてだめと怒鳴られてしまう始末でした。一時期、トラウマにもなって長らく取り組むことができないこともありました。それよりもショパンやラフマニノフなどをやっていて、モーツァルトに取り組んだことはなかったので、いまあらためてやることができてうれしいです。本当に何かあれば、すぐ怒鳴り、また難しいのをやたらやって、学生時代は何だったんやろうな?と考えてしまいますね。そういう、先生にしか、出会えなかったなと思います。
そんな学生時代を引きずることなく、新しい版にしたい、といったところ、エドウィン・フィッシャー校訂版を提案していただきました。これからは、怒鳴られた曲ではなく、取り組めそうな曲からやっていきたいかなと思います。
過去を忘れろとか、捨てろとか、なんべんも言われました。どうしてもできなくて、落ち込んでいた日々もあったんですが、新しいことを始めよう!というのが、1番それに近づくための近道なのかな?と思いました。
たしかに、学生時代は本当に良縁に恵まれず、ながらく不遇だったなあと思うのですが、幸いにも、ピアノを演奏する場面にはなぜか恵まれたので、良かったのかもしれませんね。いろいろ大変なこともあるとはおもいますが、なぜかピアノを一応やれる環境にあるわけなので、精一杯やっていきたいかなと思います。