Netflixで人気のアニメ作品である「薬屋のひとりごと」を見た。
医療系作品なんてほぼ見ない私だが、
衝撃を受けた。・・・
私は、薬剤師を名乗っていいのだろうか?
媚薬という名のチョコレートだって作れないし、症状から病気だって割り出せない。毒の薬草なんて知らないし、炎色反応だって忘れている。
そもそも理科の実験で私が唯一覚えているのは、レモンが電気を通すことくらいだ。
不安を覚えた時の人間の行動は単純だ。
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記憶のどこにも触れないこの情報を、ただぼーっと見つめていたのは言うまでもない。
薬剤師である私は、こういう作品を見た時にピン!とこなくてはいけないのかもしれない。
華やかなセクシーな女性が出てきた時に心が踊ったくらいで、特に主人公“猫猫”の活躍にはピントなんて来なかった。
でも、私は思った。
薬剤師として臨床で働いていた時の頭の中なんて、要注意と認定されている患者のことと薬の在庫、薬歴を書く時間を考えることでいっぱいだった。
新しい薬が出てくる中で、古い薬の情報を忘れないように、必要のない情報は切り捨てていく。
そして何より、もっとも必要なのはやっぱり人間性だと思う。
もし、実際にブラックジャックがいて、この医者にかかろうとする人は果たして何人いるのだろうか?それなら、少し薬の知識のある近所の優しい綺麗なお姉さん(綺麗かどうかは知らんけど)の方が需要があるはずだ。
薬剤師の皆さんはどうだろうか?
医療系の作品を見て、どう感じているだろうか?
有料記事を書いている私がこんなことを言うのもおかしいが、専門家は天才ではない。私はごく普通の人だ。薬剤師に幻想を抱いてはいけない。専門家というのは、難しい職業だと改めて感じた。
▼薬剤師のおまけ
私が薬剤師になって面白いなと思ったことがある。それは薬の名前だ。薬の名前の由来って面白いものが多いので、一部を紹介したいと思う。
- バイアグラ (お馴染みのあれ)由来:「Vitality(活力)」や「Vigor(活力)」を意味する言葉と、「Niagara Falls(ナイアガラの滝)」を掛け合わせたもの。ナイアガラの滝のように勢いのある効果を示すイメージが由来。<目指せ!ナイアガラの滝!>
- マイスリー (睡眠薬)由来:「My Sleep(私の睡眠)」を短くした造語。自分専用の睡眠をサポートするイメージが込められている。<誰でもない、あなたのために。>
- シナール(ビタミン剤)美白効果が期待できることから「肌が白くなる→しろくなーる→シナール」に由来。<まるでおまじない。>
- アモバン(睡眠薬)飲むと眠くなる→もう寝る時間だ→あーもう晩だ→アモバン。<私だったら、「あーもう朝だ→アモアサ」ってつけるな>
覚えやすいし、面白い。