日本最大級のハプニングバー 渋谷「Sleeping Beauty 〜眠れる森の美女〜」の摘発の概要と、今後のハプニングバー業界の動向予測
たぴさん@ハプニングバー観光大使
摘発の概要
2022/5/7 24時にも差し掛かるであろう深夜帯に、渋谷のハプニングバー 眠れる森の美女(Sleeping Beauty)が警視庁に摘発された。
大手報道機関のニュースは以下にとおり。
・fnnプライムオンライン
・Yahooニュース
・Youtube(Ann news) →美女がハプニングバー連呼してます
界隈の人間には「SB(エスビー)」という略称で親しまれていた、日本を代表する大箱のハプニングバーだ。
ニュースに先立ってTwitterやtiktokで摘発の件が拡散されていた。
摘発時は性行為中の利用客がパンツを履く間もなくビデオカメラ撮影、シャッターのフラッシュが一斉にたかれ、大量の捜査員が乗り込んできたといわれている。
5/9現在、家宅捜索を受けた影響からか、店舗の公式ホームページは以下の通り見られなくなっている。
Twitterのアカウントはまだあるようだ。
https://twitter.com/sb_shibuya
GW10連イベント開催のクライマックスとなる5/7での摘発。予告通りカオスな空間となってしまった。
間違いなくアングラ界に激震が走った事件だといえる。
なぜ摘発されたのか?
ニュースサイト、TwitterやTiktokなどであがっている内容に見るとわかるが、利用客は公然わいせつ、経営者、従業員は公然わいせつほう助の罪での逮捕である。経営者および従業員10名は逮捕、さらには性行為中の客男女2名も逮捕された。なお、利用客2名はすぐに釈放されている。80名も利用客がいた中、2名しか逮捕されていないので、逮捕された人は相当なアンラッキーである。
ではなぜこのタイミングで摘発されたのか、といった理由についてはいくつかの憶測(※)が飛び交っているが、公的な報道機関による正確な報道の続報を待ちたい。
東京オリンピックが始まる前なら理解できるが、終了後、このタイミングでなぜ?しかも16年も運営が続いていた店舗をなぜ?違法カジノやJKリフレなど他にも違法点があるのになぜハプニングバーを?
(※)以前から、違法な薬関係の利用者が店舗に出入りしていたため。店内どこでも性行為をしていいという店内ルールで、周囲から見えないようにする仕切りもなく過激なイベントもたびたび催されていたため。マジックミラー越しで行為が見えるという店内の作りの特性のため?売り上げが良からぬ組織の資金源になってるいるため?
ハプニングバー利用客の保険証+αによる身分証チェックは実質機能していない
多くのハプニングバーでは店内に入るために保険証+αによる身分証の提示を求めている。これは1つは未成年に飲酒させないように身分証チェックをするもの。
もう1つは、保険証の番号のとある箇所を確認すると、警察、検察、裁判所の関係者かどうかわかるため、事前に排除するためというものである。
今回は、報道陣も摘発時にすでに店内入口にいたことから、警察関係者からマスコミの報道関係者に事前に摘発のリークがあったと予想している。
こういった調査は、麻薬常習者の取り締まりと同様、あらかじめ内偵が事前に実態をかなり緻密に調査・把握した上での、摘発するケースがほとんどであるため、裏を返すと保険証+αによる身分証チェックが機能していないことになる。(どうやって潜り抜けたが定かでないが、他者の身分証や会員証の使いまわしなどの可能性もある)
保険証に代わり、初回受付での局部やおっぱいの露出が義務付けられるのがスタンダードになる日は近い?
なぜカメラを店内に持ち込み出来たのか?
店内ではカメラ禁止だが、カメラが持ち込まれていたことも、セキュリティが緩いことを示している。
多くは店内のロッカーにスマホなどを預ける形式であり入口のクロークにすべてを預ける形式にはなっていない。そのため、店内に持ち込もうと思えば物理的には持ち込めてしまうことが起因しているように思う。
また、たとえばメガネについている盗撮用の超小型カメラなど、気づかれにくい場合も多い。
逮捕されるとどうなるのか?法律面での扱いは?
基本的に利用客は公然の目に触れる形で性行為をしていた場合もしくは局部を露出していた場合は、現行犯逮捕されるケースがある。(裏を返せば局部を出さずに服を着てその場に居合わせるだけの場合は事情聴取のみで終了する)
実態としては逮捕後、(弁護士を付けるなどして(もしくはつけなくても))不起訴になれば前科はつかないが、起訴されて有罪になれば前科がつく。
公然わいせつ罪で起訴(この場合、だいたい略式起訴となる)され有罪になると「6か月以下の懲役、もしくは30万円以下の罰金、または拘留、もしくは科料」に処せられる。
今回の略式起訴の場合は、その日は書類だけ書いて、拘留はなく釈放、後日呼ばれ罰金を払うのみの形式が多いようだ。
即日釈放で長期間の拘束はないため、周囲にバレるケースはほぼ皆無と考えられる。(今回逮捕された利用客2名はすぐに釈放されたようだ)
昨今の実績からすると利用客の立場で起訴されて有罪になるケースはないのではないかと思われるが、ここはケースバイケースが専門家の意見も聞きたいところではある。
ただし起訴されなくとも逮捕されたら、逮捕歴は警察のデータベースに残ることになる。プライバシー保護のため、一般人はまずこのデータベースにアクセスはできない。
2014年に東京都新宿区愛住町のマンションの一室にあるハプニングバー「CLUB406」で同様の摘発があったが、利用客の実名報道はされていない。(たまたま国の仕事をする公務員だったため、宮内庁職員と書かれたと推察)
被害者がいないのになぜ?
ハプニングバーはそういう目的が集まった人同士が合意の上でやっていたり鑑賞しているから、罪に問われないのでは?という意見もあるが、現状の国の判断がそのようになっていないのである。こういった場所があることで、治安が悪くなるとか、そういう考えがあるのかもしれないが、個人的にはAVなどと同じ必要悪のようなものと考えており(私的には善だが)こういう場所があるからこそ世の中うまく回っていけるように思う。売り上げが良からぬ組織の資金源になっているなら話は変わってくるかもしれないが、、
今後のハプニングバー界隈の動向を予想
まずハプニングバーには大きく分けて以下の2つの形態がある。
- 店舗でのルール上、店内どこでも性行為や局部の露出をできるところ
- 店舗でのルール上、店内の決められた場所(部屋)でのみ性行為や局部の露出をできるところ
言うまでもなく摘発リスクが高いのは①の方だ、日本のハプニングバーは過去に摘発された店舗がいくつかあるが、いずれも①の店舗である。
近年、Twitterの裏垢界隈やComing Out Tokyoといったアングラ系の情報サイトなどでもハプニングバーに関するが多く出回っており、徐々に参加の敷居が低くなってきていたハプニングバーであったが、今回を機にリスクに敏感な社会的地位のある男性や、女性は①のハプニングバーには寄り付かなくなる可能性があるであろう。
ありうるのはよりセキュリティの厳重な②のハプニングバーに客が流れることだと考える。確かに個室で1:1で外部から見られない構造であれば、一般的なホテルでの行為と変わらないため、摘発リスクはほぼ皆無といっていいであろう。性行為のほう助でスタッフは捕まるかもしれないが、当人同士が合意しての性行為であるため、その可能性も少ないように思える。
ただし②の店舗にも大部屋という、1:1ではなくそれ以上の人数で入れる部屋がある。ここも部屋に入る前に衣服を脱がせるなどのチェックを行えば、摘発リスクは軽減できるように思える。
しかし①の客層(ワイワイ)と②の客層(しっとり)は趣向がわりと違うことから、①の客が②の店舗に流れることはそう多くないと推測する。
おそらく、より表からは見えないアングラ(個人主催のオフ会やパーティー)などに活路を広げるのではないかと思う。
結果として②の店舗の客数はそこまで変わらないが、①の店舗の客数は減っていくのではないかと予想している。
もちろん、①においても、摘発された時の店内で性行為をしている可能性が極端に低いので、快楽を優先し、その時はその時、と割り切って遊ぶタイプの人もいるかと思われる。摘発直後が一番安全という考え方をする人もいる。
それでもハプニングバーに行きたい人はどうすればいいのか
ハプニングバー経験者で、Twitterやマッチングアプリでの出会い等、場所を問わない遊びに回帰する人も出るであろう。それか、これを機にセックスやハプニングバー通い以外の趣味に没頭するのも良いと思う。
男性はただ素人とセックスをしたいのであればそもそもハプニングバーは相対的に割高と考える。
女性に関しては、Twitterやマッチングアプリでの出会いではリスク(年齢、顔写真詐欺、経歴詐欺)は伴うため、その選球眼を養うかリスク対処をしっかり行うか、紹介などをうまく利用するのが良いであろうと思う。
それでも、ハプニングバーに遊びに行く人、友人を連れていく人は上記のようなリスクを事前に把握、説明した上で遊ぶのが重要になってくると思われる。
より堅実に行くのであれば、「店舗でのルール上、店内の決められた場所(部屋)でのみ性行為や局部の露出をできるところ」である店舗に遊びに行くというのが無難な路線と考える。リスクがさらに気になる人は大部屋の回避(2名個室の利用のみ許容)なども選択肢になるであろう。
以下で「プレイルームは個室がいい」に該当するところは、すべて、「店舗でのルール上、店内の決められた場所(部屋)でのみ性行為や局部の露出をできるところ」である。(加えて最近できたところでは上野ハーネス東京や新宿オフホワイトなどもある)
店舗でのルール上、店内どこでも性行為や局部の露出をできる店舗に行く場合は、カーテンなどで仕切られ周囲からの視界が遮られた場所で行為に及ぶなど、リスクヘッジ策は自分で考えるしかない。
事件の状況の今後の動き次第であるが、コロナ禍で低迷していたハプニングバー界隈(実は新店舗もできたり少し盛り返してはいた)は今回の事件を受けてのハプニングバー業界のイメージ低下で、さらに、冬の時代が到来する可能性は十分にある。