🔷R07_Ⅱ-2-1|過去問題
A市では、「自動車に過度に依存しない交通体系」の実現を目指す一環として、自転車の安全かつ快適な通行環境を計画的に整備するため、既に定めた「A市自転車活用推進計画」に基づき新たに「自転車ネットワーク計画」を策定することとなった。
この計画を担当する責任者として、下記の内容について記述せよ。
(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ
(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
「日本技術士会」HP
🔷R07_Ⅱ-2-1|骨子例
1.調査・検討すべき事項およびその内容
①現況交通状況および自転車利用実態調査
・交通量調査と危険箇所の特定
・利用者アンケートと既存施設の問題点把握
②道路構造および沿道環境調査
・道路幅員構成と自転車通行空間確保可能性の検討
・沿道土地利用と公共交通機関との接続性調査
③法的制約および関連計画との整合性検討
・関連法令による制約条件の整理
・上位計画との整合性と隣接自治体との連続性確保
2.本業務を進める手順、及び留意点・工夫点
1)基礎データ収集・分析段階
・季節変動と天候条件を考慮した複数回調査の実施
・ICT活用によるGPSトラッキングと市民参加型調査の導入
2)ネットワーク路線選定・設計段階
・歩行者との錯綜回避とバリアフリー対応の安全性確保
・3次元CADと交通シミュレーションによる事前検証
3)計画案作成・合意形成段階
・多様な意見の公平聴取と地域特性に応じた柔軟な計画修正
・VRやCG画像を用いた視覚的整備イメージ提示
3.関係者との調整方策
a)警察署・交通管理者
・道路交通法に適合した計画案の共同策定
・交通安全対策の連携体制構築と適切な運用管理確保
b)道路管理者・インフラ関係機関
・道路占用許可と既存インフラとの競合回避
・関係機関連絡会議による情報共有と工程調整
c)地域住民・利用者団体との調整
・地区別住民説明会とパブリックコメントによる意見聴取
・市民参加による合意形成と地域協働体制の構築