🔶R07_Ⅲ-2|過去問題
国土交通省の新たな建設現場の生産性向上(省人化)の取組として「iーConstruction2.0」が令和6年4月にとりまとめられ、建設現場の省人化を少なくとも3割、すなわち生産性を1.5倍以上に向上することを目指し、建設現場のあらゆる生産プロセスのオートメーション化に取り組んでいくことが示された。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1)建設現場のあらゆる生産プロセスのオートメーション化に取り組んでいくうえで、多面的な観点から、あなたの選択科目に関わる技術課題を3つ抽出し、観点の明記とともその技術課題の内容を示せ。(※)
(※)解答の際には必ず観点を述べてから技術課題を示せ。
(2)前問(1)で抽出した技術課題のうち最も重要と考える技術課題を1つ挙げ、その技術課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。
(3)前間(2)で示した解決策に関連して新たに浮かび上がってくる将来的な懸念事項とそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
「日本技術士会」HP
🔶R07_Ⅲ-2|骨子例
1.オートメーション化による技術課題
〇観点1:設計・計画段階の自動化
・構造解析・設計の完全自動化システム構築
・接合部設計と緊張力配置計画の最適解導出システム
〇観点2:施工段階の省人化技術
・鋼構造溶接・ボルト締付け作業の完全自動化
・コンクリート打設工程の品質管理自動化システム
〇観点3:維持管理段階のデジタル化
・構造健全度診断の完全自動化システム開発
・AI画像解析による構造性能評価と補修時期判定
2.最重要課題およびその解決策
▼最重要課題
・鋼構造及びコンクリート構造物の自動化施工技術確立
・労働力不足解決と安全性向上の同時実現
▽解決策1:AI搭載自律施工ロボットシステム開発
・鋼構造溶接専用ロボットの機械学習機能搭載
・高力ボルト締付けロボットの施工品質均一化
▽解決策2:プレキャスト部材自動架設システム構築
・高精度位置決めシステムによる自動架設
・自動グラウト注入システムの品質保証機能
▽解決策3:スマートコンクリート打設管理システム導入
・IoTセンサー活用の配合自動調整システム
・締固め・養生管理の自動制御と品質均一化
3.解決策に関連する懸念事項及びその対策
1)技術者スキル継承問題と人材育成課題
・VR・ARを活用したデジタル技能訓練システム構築
・AI学習データを活用した次世代技術者育成プログラム
2)システム依存による品質リスクと安全性確保
・多重チェックシステムと相互検証の実施
・非破壊検査併用による自動化品質評価システム
3)サイバーセキュリティリスクと情報管理課題
・ブロックチェーン技術による改竄防止データ管理
・ゼロトラスト原則に基づくセキュリティ体制構築