🔷R07_Ⅱ-2-1|過去問題
構造物の耐久性を確保するうえで、基準類に沿った耐久性の設計に加え、構造物の置かれる状況や部位、環境・荷重等の作用、維持管理の難易度などを考慮して、更なる検討が必要となる場合がある。あなたが鋼構造物及びコンクリート構造物の耐久性の確保を担当する技術者として業務を行うに当たり、下記の内容について記述せよ。なお、本設問における耐久性とは、材料劣化や疲労、変位・変形などの経年変化を考慮したうえで、安全性や使用性などの構造物に必要な性能を所定の期間満足させるための性能とする。
(1)対象とする構造物(新設構造物又は既設構造物)、現地状況等の条件及びその構造物の耐久性確保のために更なる検討が必要な理由を設定したうえで、構造物の耐久性を確保するために調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)業務を進める手順を列挙して、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。
(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
「日本技術士会」HP
🔷R07_Ⅱ-2-1|骨子例:②既設構造物
1.海洋環境下RC橋脚の耐久性確保検討
(1)海洋環境下RC橋脚の耐久性確保検討
・対象構造物の概要と立地環境
・劣化状況と耐久性再評価の必要性
〇対象とする構造物(既設構造物)
・RC橋脚の基本諸元と構造特性
・海洋環境による劣化リスク
〇更なる検討が必要な理由
・構造ひび割れと塩害劣化の進行状況
・現行基準との適合性と将来供用計画
〇調査・検討すべき事項とその内容
・塩害劣化調査と構造性能評価手法
・劣化予測解析と補修工法の比較検討
2.本業務を進める手順、及び留意点・工夫点
1)既存資料収集・現地踏査
・構造物履歴の正確な把握手法
・海洋環境特有の劣化要因調査
2)詳細調査計画策定・実施
・安全確保と調査精度の両立
・効率的調査手法と作業工程計画
3)劣化メカニズム解析・将来予測
・複合劣化モデルと不確実性考慮
・環境条件補正と気候変動影響評価
4)対策工法選定・設計
・総合評価による最適工法選定
・施工条件とモニタリング手法検討
3.関係者との調整方策
①道路管理者
・技術的根拠に基づく進捗報告
・段階的対策案と優先順位協議
②交通管理者・警察
・交通規制計画の事前協議
・緊急時連絡体制と情報共有
③海上保安庁・港湾管理者
・海上作業許可と航行安全対策
・作業可能日の事前調整
④地域住民・利用者
・工事説明会と安全確保措置
・情報発信と苦情対応体制
⑤専門機関・大学
・技術的妥当性の専門家意見聴取
・技術委員会による客観的評価