こんにちは。かざぐるまです。
吃音を患っている人の中には、誰にも相談できず、悩んでいる方、多いと思います。
吃音にも、軽度~重度まで様々な症状がありますので、一概には答えることはできません。今回は、軽度のケースを取り上げます。
ここで示す軽度とは、日常生活に支障をきたさない程度の吃音で、例をあげると「電話対応は、言葉が詰まるから苦手」「普段は普通なのに、人前で話すとき、緊張して言葉が出てこない」等のレベルで扱います。私自身、軽度の吃音を患っています。
打ち明けなくていい理由とは?
吃音の症状が軽い方は、無理に打ち明ける必要はないと考えます。
ここで言う「打ち明ける」とは、家族や近しい友人に対してではなく、社会に対してのことです。つまり、職場や学校に対してのカミングアウトです。
「社会的に打ち明ける」ことにより、他者からの見られ方が確実に変わります。例えば、いい職場であればあるほど、「電話対応はいいよ。代わりに〇〇やってね」と優しく対応して頂けると思います。
上記のケースでは、嬉しい反面、自分が本当にやりたい仕事に挑戦する機会が減ってしまう可能性は高いでしょう。仕事の割り振りを、吃音者の都合に合わせて、すべてマネジメントすることは難しいですから。
また、吃音を患う人は「繊細で心が優しい」タイプの傾向が多いと言われています。周囲の反応を気にしてきた経験からか、周りの変化に敏感に反応してしまいます。
それ故、「吃音を打ち明けてよかった」と安堵する一方、周囲からのサポート(=応援)という新しいストレスを抱えてしまう一面もあります。
周囲から、「無理して話さなくていいから」「ゆっくり話せばいいから」・・・そんな優しさが嬉しい反面、一番、苦しくなるんです。
周りからの応援に答えるべく、頑張ろう!吃音を治そう!と頑張ってしまう。。 でも、なかなか吃音が治らないし、周囲の期待に応えることができない。
そんな風に悩んでいると、さらに、喋ることが怖くなり、吃音が悪化していく。悪化した姿を見て、さらに周囲がサポートを厚くするが、期待に応えられず、どんどん自己肯定感を失っていく。
吃音の悩みにおいて、一番、恐ろしいのは「自信を失うこと」です。
だからこそ私は、仕事に大きな支障をきたさないレベルであれば、吃音と打ち明ける必要はないと考えます。
でも、毎日、極度のプレッシャー(いじめ・罵声など)にさらされる環境であれば、すぐ環境を変えたほうがいいと思います。吃音という悩み以前の問題なので。
あとがき
理想を語るのであれば、吃音を打ち明けたほうがいいです。
しかし現実として、吃音という問題を社会全体が受け入れるには、まだまだ時間がかかります。だからこそ、自分なりのメンタルの持ち方や言葉の言い換えを駆使しながら、社会の荒波を乗り越えていく力が必要になってきます。
うまく喋れない苦手なフレーズを、違う言い回しに変えることは、ルール違反じゃありません。コミュニケーションの本質は、感情や意思を共有できるかどうか?ということ。マニュアル通りのフレーズじゃなくてもいいんです。
私自身、半ば開き直りながら、日々、営業マンとして仕事をしています。時には、2時間以上のプレゼンテーションを行うこともあります。吃音持ちなので、自分が喋りやすいフレーズになるよう、事前に原稿作成をしています。
吃音を打ち明けるかどうか?に、正解はありません。
ただ、安易に打ち明けても、本質的な問題は解決しないと思います。じっくり考えて、納得のいく決断をして欲しいと思います。