こんにちは。かざぐるまです。
私は、20歳の頃、特定の言葉がつっかえる「吃音」という症状が発症し、悩んでおりました。約8年間かけて克服し、今では、日常生活で問題ないぐらい改善しています。
私の経験談から、「やりがちだけど、実は逆効果だった!」という行動を紹介したいと思います。まず、私の状況を紹介します。
- 軽度の吃音(言葉が発しにくい、難発)
- 「あ」「や」「ふ」行から始まる言葉が苦手
ちなみに、私は、営業の仕事をしています。
電話対応で、言葉が詰まると、「しっかりしろ!」と責められる毎日でした。
気づけば、自信を失い、「自分じゃダメだ」と落ち込んでいました。
そんな日々を乗り越えたいと思い、覚悟を決めて、吃音を克服しよう!と誓いました。様々な方法を試しました。克服した今、振り返ってみると、メンタル面での意識改革が最も効果的だと感じました。
吃音を改善するとき、やりがちな行動が、メンタル面で悪影響を及ぼしている場合があるんです。では、私の経験上、「これは、逆効果だな」と感じたものを3つ紹介していきます。
①苦手なフレーズ(言葉)の発声練習をする。
これは、吃音に悩む人が、特にやりがちな行動です。
私自身、苦手な言葉(名前や得意先名)を営業車の中で、何度もつぶやいていました。実際の電話対応を想定して、何度もトレーニングを重ねました。
営業車の中、一人で練習していると、発することができる言葉も、いざ、沈黙した事務所で喋ろうとすると、言葉が出てきません。
言葉が出てこないと、「練習が足りないのでは?」と感じ、さらに発声練習を繰り返しました。息の出し方や呼吸法みたいな部分まで、調べて、発声練習する。それでも、いざ、事務所に行って、電話を引き継ごうとすると、全然ダメです。。
あるとき、練習すればするほど、苦手意識が増えていることを感じ、最初の頃より、緊張の度合いが大きくなっていることに気づきました。
「次も失敗するのでは?」という不安が膨れ上がった結果、常に緊張状態となり、通常のパソコン業務に集中できなくなっていました。
私は、苦手な名前を発声することを辞め、「どのようにしたら、声が出しやすくなるか?」自己分析を行いました。
言い回しや言い換えを使いながら、無理せず電話対応をこなしていった結果、緊張状態は徐々に弱くなり、自然と声が出るようになっていきました。とにかく、伝わればいい、と割りきった結果です。
「練習を繰り返して、苦手な音を発声する」という考えから、「言いやすい言葉で、コミュニケーションをとる」という考えに変えたことで、メンタル面の不安が解消されたのです。
②同じ悩みを抱える、吃音者の映像を見る。
同じ悩みを抱える吃音者の映像って、ついつい見ちゃいますよね?
「私以外にも、こんなに悩んでいる人がいるんだ」「もって世間の人に理解してもらいたい、吃音という悩みが少なくなればいいのに」。。。こんな風に、吃音者が出演している映像を見て、モチベーションを高めている人は、要注意かも。
私自身、過去に、このような映像を見ていた時期がありました。今では、なるべく見ないように、心がけています。一見すると、吃音の悩みを解消できそうなのに、、それは、なぜでしょうか?
映像から、得られる刺激は凄まじく、自分が気にしていないつもりでも、脳はしっかりと覚えています。自分とは違う吃り方があることを知り、会話している姿が無意識にインプットされるのです。
普段は問題なくても、吃りの不安を感じたとき、「吃音で悩む人の映像」がふと頭に浮かんでくるのです。さらに不安が拡大し、緊張が増してしまう、「吃音でもっと苦しむのかな?」と意識すればするほど、声を発することが怖くなりました。
この経験から、一定期間、吃音に関する情報を集めず生活することにしました。すると、「不安要素」が頭に浮かんでくることが徐々に無くなりました。
みなさんもホラー映画見た後、トイレ行ったり、風呂に入ったりすると、怖くてたまらないことありませんか?意識してなくても、頭に「怖いシーン」が浮かんできて、忘れたくても忘れられないやつです。
私は「吃音の映像」を見ることは、この感覚と同等と捉えています。
だから、吃音を克服している段階の方は、なるべく見ない方がいいのです。
言葉は悪いかもしれませんが、吃音で悩んでいる当事者にとって、「吃音者が悩みながら話している映像」は「ホラー映像」同等の衝撃映像として、脳が捉えていると思います。
現実社会で、恐怖のシーンが繰り返されるのですから、回避するため頭に最悪のシーンが浮かんできます。緊張が増すのも、当然か。。と思います。
③「吃音なんだから」と諦めて、できる努力をしない。
3つ目は少し抽象的な話になりますが、吃音で悩む人は2通りに分かれると考えています。
- 吃音で悩みながらも、自分の価値を高める努力を継続する人
- 「どうせ吃音なんだから」と諦め、楽な選択しかしない人
この2パターンのうち、どちらが吃音を克服しやすいでしょうか?
圧倒的に、①のほうですよね。
私自身、吃音で、コミュニケーションがうまくとれず、悩んでいましたが、「じゃあ、自分には何ができるのか?」という部分を徹底的に考え抜きました。
他の人の何倍も努力して「吃音に関係ない部分では、絶対に負けない!」という覚悟を決めたのです。
それからほぼ毎日、仕事終わりに、本や参考書を読み、勉強を重ねました。誰にも、努力は伝えず、一人で黙々と続けました。
数年間もすると、コツコツ積み上げたものが自分の糧となり、他の人から信頼されるようになっていきました。
結果、徐々に自信がついてきて、「吃音なんて、たいしたことないじゃん。自分には、ハンデがあっても、それを上回る力がつけれるんだ」と心から思えるようになったのです。
「吃音なんだから」と口にして、諦めてたら、もったいない!ということをお伝えしたいと思います。
あとがき
私は「不快に感じる人、いるだろうな~」と思いながら、記事を書きました。
もちろん、私と異なる症状の方にとっては、全く参考にならない内容であるかもしれません。ただ私と似たような人がいれば、少しは助けになるのではないかと思います。
私は、メンタル面の改善に、本当に苦労しました。ある程度、克服した今でも、メンタル面のトレーニングは、継続しています。コツコツ自信を積み上げることが、克服への近道なので。