ある日、ロロははじめての「うみ」に出かけました。
砂浜にちょこんとすわって、ざぶーん、ざざーっと響く波の音をききながら、ロロは心がふわっと軽くなるのを感じていました。
🐼「わぁ〜、うみっておっきいなぁ〜…」
すると、海のむこうから――
「ボフンッ!」と大きな水しぶき!
びっくりして顔をあげると、そこにいたのは……!
🐋「やっほ〜!きみ、はじめてのうみ?」
大きな体に、水玉もようがきらめくジンベイザメの子、ジンジンです。
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ジンジンは、体はおおきいけれど、声も心もとってもやさしい、うみのともだち。
海のことをたくさん知っていて、新しく来たロロにも、いろんなことを教えてくれました。
🐋「ぼくはジンジン。おおきいけど、やさしいジンベイザメだよ〜」
ロロもすぐにうちとけて、
🐼「ぼく、ロロ。ぼくもおっきいけど、よくころぶよ〜」
とふたりで笑いあって、あっというまに仲良しに。
ジンジンがロロを背中に乗せて、海の上をゆらゆらとおさんぽするシーンは、まるで空をとんでいるみたいな気持ちに。
🐼「すごいすごい!ぼく、とべてるみたい〜!」
🐋「これがうみの“ぷかぷかの術”さ♪」
水面をすべるようにすすむふたりのまわりでは、カラフルな魚たちがくるくるまわって、海の中もにぎやかです。
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ジンジンの性格は、落ち着いていて頼りがいがあり、いつもみんなを包みこむような存在。
おおきな口で笑うと、それだけでなんだか安心してしまいます。
「うみのことならまかせて!」と笑うジンジンは、まるで先生みたい。
でも、ときどきちょっぴりドジな一面も。岩にぶつかりそうになったり、泡で目を回しちゃったり。でもそんな時も「てへへ〜」と明るく笑うので、ロロも「だいじょうぶ!」と笑い返します。
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🐼「ジンジン、またあそんでね!」
🐋「もちろん!つぎは“しおのかおりクイズ”するよ〜!」
ロロとジンジンは、これからもうみと森をこえて、たくさんの「はじめて」をいっしょに体験していくことでしょう。
広くてふしぎで、やさしい海。
ジンジンはその海のように、だれの心にもそっと寄りそってくれる、ともだちです。